私たちは「普段最先端の科学に触れる機会が少ない、地方の高校生に学びのカラクリを届けたい」という気持ちをもってiCeMS Caravanを立ち上げました。

インターネットでサイトを開けば、地球の裏側で起こっている情報もすぐに手に入ります。でもそんな時代だからこそ、私たちがいわゆる都心ではない地域に直接訪問してお話しすることに意味があると思っています。

ではその意味とは何か?

それは直接お話しすることでしか生まれない「熱」があるから、ではないでしょうか。

今回訪問した沖縄縄県球陽高校は私たちがiCeMS Caravanを行ったメインルームと中学生や他校の生徒、保護者の方々といった方も参加できるサテライトルームも用意されていました。そしてどの部屋も活発にディスカッションが行われていて、本当に部屋の温度が上がっているのではないかと思うほど熱くなっていました。

確かに知識や情報はインターネットの普及ですぐに手に入る時代です。でもヒトとヒトが直接話し、熱い議論を交えて新しいアイデアを創造することには大きな意味があるのだと確信しています。

今回頂いたアンケートを見てみると「眠くなると思ってたけど、楽しかった!」「難しい話しを聞くだけだと思ったけど、初めて話す人と積極的に意見交換ができて時間があっという間に過ぎた!」というような内容のご意見を頂くことができました。そしてなにより多くの生徒さん、保護者さんの「熱」と「笑顔」に接することができました。

「学ぶ」という一見退屈なテーマも視点を変えて考えてみると本当に楽しいことだよね、という私たちの口から直接お伝えたい「学びのカラクリ」を感じて頂けたと信じています。

それと・・・私たちiCeMS Caravanの講師も(恐らく全参加者の中で一番?)一日中、笑顔で楽しんでいたのはここだけの話し。

ところで、iCeMSではいろんな国から来た研究者が働いています。iCeMSではそのような多様性を大事にしています。そして、多様性は国や文化だけではありません。もちろん、男女比も重要です。iCeMS Caravanのメンバーは13名中7名が男性、6名が女性でちょうど半分半分です。

子供たちの未来のために私たち大人がすべきなのは、性別や性的指向、国籍などにおいて多様な人たちが自然体で生きられる、思う存分に能力を発揮できる環境を整えること、そして、「研究でもなんでも好きなことを仕事にすると楽しいよ、好きなことにもっともっと挑戦してみよう!」と伝えることではないでしょうか。

そのようなことを思いながら、iCeMS Caravan初の女子高開催として、大阪女学院高校を訪問させていただきました。

ところが・・・、そんな私たちの想いは開始ものの数分で無用の心配だったと分かりました。

・・・元気すぎるぞ。・・・今まで感じたことのないエネルギーがぶつけられているぞ。このエネルギーを受け止めることができるのか・・・。

本当にエネルギーに満ち溢れた学生さんが全力で、球陽高校でのキャラバンと同様にすごい熱量をもって取り組んでくれました。

今まで行ってきたiCeMS Caravanの中でも一番の「熱」だったかもしれません。

実は、iCeMS Caravanは研究者を養成する企画ではありません。もちろん、iCeMS Caravanをきっかけに研究者を目指してくれたらうれしい限りですが、どの分野の職種においても、今持っているその「熱」を大切にしてほしいということを伝え、「学びのカラクリ」を感じてもらう企画だと思っています。

iCeMS Caravanは今後も地方を中心として1年に数回行っていきたいと思っています。「ぜひ我が高校で!」「ちょっと聞いてみたいのですが・・・」といったご意見、ご要望をお待ちしております。

 

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